離婚調停のなかで用いられる、陳述書という文書について、ご説明します。

陳述書とは

離婚調停のなかで用いられる、陳述書という文書について、ご説明します。

調停は訴訟とは違って事実関係を審理する手続ではなく、尋問などは行われませんが、裁判所の調停委員や相手方に事実関係や自分の心情などを知ってもらうために、調停手続きにおいても陳述書が活用されることがあります。

離婚調停での陳述書の重要性(メリット)

調停は概ね1か月から2か月に1回ほどのペースで期日が開かれ、1期日あたり2時間から3時間の時間が取られて双方から交互に話が聞かれることになります。このような限られた時間の中で、口頭で事情を説明したり、気持ちや主張を伝えるというのはなかなか難しいことがあります。

そこで、あらかじめ自分の覚えている事実関係や、調停委員や相手方に伝えたいことを陳述書にまとめて裁判所と相手方に提出しておくことによって、期日までに調停員や相手方がそれに目を通して期日に臨むことができ、期日においては陳述書の内容を前提として話し合いが進められることができるようになります。

また、口頭では言い忘れや誤解が生じたり、伝えたいことがなかなか相手に伝わらないということもよくあります。この点陳述書という文章にすることで、自分の記憶や言いたいことが整理され、もれなく正確に読み手に伝えることが可能になります。

陳述書にはこうしたメリットがあり、効果的に用いることで、離婚調停をスムースかつ有利に進めることができるようになります。

離婚調停で失敗しないための注意点

離婚調停は訴訟と違って事実関係を審理する手続ではないとはいうものの、やはり過去の事実関係が争いになることがあります。

たとえば配偶者からのDVやモラルハラスメントが離婚の原因で、それによる慰謝料を請求したい、といったケースでは、相手方が素直に事実を認めて謝ってくれるのでない限り、いつ、どのような暴力やハラスメントがあり、それを受けてどのような気持ちになったか、ということをできるだけ具体的かつ詳細に調停委員や相手方に伝える必要があります。

また、不貞が原因で離婚したい、というケースでも、不貞がどのようにして発覚しそれを知ってどういう気持ちになったかや、不貞の証拠としてどのようなものがあり、それがなぜ不貞を裏付けるものと言えるのかの説明などを、陳述書でまとめて提出すべきことがあります。

子どもの親権が争われるケースでは、これまでの子どもとの接し方がどうだったかとか、今後子育てのためどのような環境を整えられるか、相手方が親権者となったらどのような問題が懸念されるかなど、自分の方が親権者としてふさわしいといえる具体的な事情や理由を詳しく説明する必要があります。

こうした場合に、期日で口頭による説明をするだけでは、時間も足りませんし、正確にもれなく調停委員や相手方に伝えることはとても困難で、主張したいことが十分に伝わらないまま調停が進められてしまい、不利な方向で話が決まってしまうことになりかねません。

そうした失敗を避けるために、陳述書はとても重要です。

離婚調停における効果的な陳述書の書き方

離婚調停では、様々な複雑な感情も絡んで、調停委員や相手方に言いたいこと、主張したいことは山ほどある、という方が多いと思います。それをすべて陳述書に盛り込んでいけばいいか、というと、必ずしもそうではありません。

離婚調停では、「争点」、つまり離婚のために決めなければならないポイント、というものが決まってきます。そうした争点に絞って、陳述書をまとめる必要があります。

また、詳しく書く必要はあるものの、できるだけ簡潔に、わかりやすい文章にまとめることも重要です。調停委員や裁判官は、ほかにも多くの事件を抱え、限られた時間内で陳述書を読まなければなりませんから、簡潔でスッと頭に入るような文章にする必要があるのです。

まとめ

以上見てきましたように、離婚調停をスムースかつ有利にすすめるために陳述書は重要で、大いに活用すべきですが、気を付けるべき点もあり、ご自身で書かれるのは難しい場合もあると思います。そんなときはやはり専門家である弁護士に原稿を書いてもらうことで、争点に沿った、簡潔かつ詳細に、読み手に内容がよく伝わるような陳述書が提出できるようになりますから、ぜひ弁護士にご相談頂きたいと思います。