離婚したいと考えるとき、「ウチだけがおかしいのでは?」「ほかの夫婦はどうなんだろう?」なんて心配になる方もおられるかもしれません。ここでは、統計資料に基づいて、日本の離婚率やどのような理由で離婚する夫婦が多いのか、といったことを見ていきたいと思います。

日本の離婚率

日本では、厚生労働省が離婚について統計を取っています。厚生労働省のウエブサイトで公開されている、「令和4年度離婚に関する統計の概況」では、様々な角度から日本の離婚率が説明されています。これに基づいて見ていきます。

年齢別の離婚率

年齢別に見ますと、男女とも30歳~34歳の離婚率が最も高く、概ね男性で1,000人に1人、女性で1000人に1.2人の割合で離婚しています。

男性では次いで35歳~39歳が1000人に1人弱、その次が40歳~44歳で1000人に約0.8人強となっています。女性では2位が25歳~29歳で1000人に約1.1人、次いで35歳~39歳で1000人に約1人となっています。概ね、女性の方が若くして離婚する率が高いようです。

男女とも、60歳~64歳でも1000人に約0.2人前後が離婚していることもわかります。

同居期間別の離婚率

全体の離婚件数のうち、全体の約30%が同居期間が5年未満で離婚しています。同居期間5年~10年が約20%、10年~15年、15年~20年がそれぞれ約15%、20年以上も約20%を占めています。いわゆる熟年離婚も、近年数を増やしているようです。

都道府県別の離婚率

都道府県別の離婚率は、東京都が最も高く1000人に約2人が離婚しています。2位が大阪府が1000人に約1.5人、次いで神奈川県、愛知県、埼玉県が1000人に約1.1人~1.4人と続きます。鳥取県や島根県は最も低く、1000人に約0.1人弱となっています。都市部の離婚率が高いことがわかります。

子どもの有無と離婚率

男女とも、20歳から34歳までで離婚するケースでは、全体の約6割程度が未成年の子どもがある夫婦です。その割合は44歳頃までは少しずつ増えていきますが、それ以上になると急激に下がります。子どもが成人して親権を脱する場合が多くなるからと考えられます。

世界の離婚率

世界に目を転じてみますと、日本の離婚率は高いのでしょうか、低いのでしょうか。

世界と比較して日本の離婚率

総務省統計局「世界の統計2023」によりますと、日本の離婚率は1,5、つまり1000人に1.5人が離婚していますが、アメリカ2.3、スウェーデン2.3、韓国2.0等と比べ、世界的には離婚率が低い国と言えそうです。

離婚の原因

では、日本では離婚の原因は何が多いのでしょうか。

最高裁判所が公開している、「令和4年司法統計年表家事編」、には、家庭裁判所に離婚調停が申し立てられた際に、申立ての動機、つまり離婚したい理由として何が挙げられているかを集計したデータが掲載されていますので、これ基づいて見ていきます。

女性の離婚原因

女性側からの申立てで最も多いのが、「性格が合わない」、次いで「暴力を振るう」、「生活費を渡さない」、「精神的に虐待する」、「異性関係(不貞など)」と続きます。

男性の離婚原因

男性側からの申立てでは、「性格が合わない」が最も多く、次いで「精神的に虐待する」、「暴力を振るう」、「性的不調和」。「異性関係(不貞など)」と続きます。

まとめ

以上はあくまでも統計上のデータですので、大いに参考にはなりますが、実際の離婚問題は夫婦それぞれの事情があり、ケースバイケースで解決していなければなりません。

それぞれのご事情に合った、最も適切な解決のためには、ぜひ専門家である弁護士にご相談を頂きたいと思います。